トリンセオってどんな会社?
経営状況や将来性ってどうなの?
投資対象としてどうなのか?
上記の疑問について調べてみた結果をブログに残しておきます。
同じ疑問を持っている方の参考になれば幸いです。
簡単に説明すると、【TSE】トリンセオはプラスチック、合成ゴム、ラテックスを主に製造する化学品メーカーです。
2016年以降、4年連続増配しており、直近の配当利回りは5.51%と高配当株となっております。
そんな【TSE】トリンセオの株関連情報とファンダメンタル分析を載せておりますので、ご参考になれば幸いです。
なお、本記事はあくまで個人的見解のため、投資はご自身の判断、責任でお願いいたします。
トリンセオってどんな会社?

化学品メーカーの製品はエンドユーザーにそのまま製品が渡るわけではないので、一般的にはどんな製品があるかよく分からないと思います。
しかし化学品メーカーの製品はいろいろな物の素材として使用され、例えばタイヤ、塗料、電気製品、医療製品建築材から繊維製品など、その使用される範囲は非常に幅が広いため、一般消費者の知名度と反比例して会社規模は大きいことがあります。
トリンセオもまた、知名度は低いですが、その会社規模は非常に大きいです。
このように売り上げは4,000億円に迫るもので、大きな会社であることが分かります。
トリンセオはプラスチック、合成ゴム、ラテックスの3つの事業からなる会社で、素材化学メーカーとして確実な地位を築いています。
以下は楽天証券HPより会社情報を引用しております。
トリンセオ(Trinseo S.A.)は合成ゴム、ラテックス及びプラスチックの製造・販売に従事する材料会社である。同社のセグメントには、ラテックス・バインダー、合成ゴム、パフォーマンス・プラスチック、ベーシック・プラスチックス、原料及び米州スチレニクスを含む。ラテックス・バインダー事業はスチレン・ブタジエン・ラテックス(SBラテックス)と他のラテックス・ポリマー及びバインダーを生成する。合成ゴム事業はタイヤに使用される合成ゴム製品、耐衝撃性改良剤と技術的ゴム製品を生産する。パフォーマンス・プラスチック事業は化合物とブレンド、特殊アクリロニトリル - ブタジエン・スチレン(ABS)グレードを製造する。ベーシック・プラスチックス事業はポリスチレン、塩基性ABS、スチレンアクリロニトリル(SAN)製品、ポリカーボネート(PC)等のスチレン系ポリマーを製造する。原料事業には北米以外のスチレン・モノマーの製造・調達を行う。米州スチレニクス事業は合弁会社であるAmericas Styrenics LLCの事業を含む。
楽天証券/トリンセオ
株価チャート
トリンセオの2011年からの株価チャートです。(引用元:楽天証券HP)

過去10年間で20ドルから80ドルの間で推移しています。
2019年度に利益が大きく減少したため、2018年後半に大きく株価が下がっています。その後じりじりと株価は下がり、コロナショックで底を形成。
しかしその後は徐々に株価が回復しております。
ファンダメンタル分析

中長期的な投資には財務状況、業績状況を分析するファンダメンタル分析が重要と考えております。
トリンセオの過去4年間の損益計算書、賃借対照表、キャッシュフロー、その他主な指標から、ファンダメンタル分析をしたいと思います。
なお、以下に添付している表は楽天証券HPより引用(2020年10月8日時点のデータ)させていただいております。
損益計算書

損益計算書で私が特に注目するのは「営業利益」です。
営業利益は本業でどれだけ儲かったかを示すもので、最も大事な指標と考えております。営業利益が継続的に黒字であれば安定的に収益を得ている、つまり収益基盤は盤石であることになります。
トリンセオは過去4年間で営業利益は常に黒字ですが、利益がどんどん減っているのは気になります。
販管費が増えているため、利益が減っていますね。
しかしながら配当が2016年から常に増配していることにも注目されます。
増配することは株主にとってはもちろん良いことですが、原資が無くなっては意味がありません。
今後利益が回復すれば株価は大きく値上がりすると思います。
賃借対照表

賃借対照表で私が特に注目するのは「利益剰余金」です。
利益剰余金は企業が得た利益の積み立てた金額であり、過去から蓄積した利益です。内部留保と言えばイメージしやすいかもしれません。
利益剰余金が多いほど、環境変化などによる一時的な損失があっても会社の存続が危ぶまれることはありません。
トリンセオは2016年度以降、確実に利益剰余金を積み増しています。
利益剰余金は配当原資となりますので、上述の増配傾向はこの数値からも裏付けられます。
一方で従業員数が増え続けており、これが販管費が増加(=利益率低下)の要因の一つになっていると思われます。
結局のところ、会社の業績は人によってなされるものであるため、人への投資は怠るべきではありませんが、これが数年後プラス要因になってくれれば良いですね。
キャッシュフロー

キャッシュフローの評価基準を表にまとめました。
営業CF | + | + | - | - |
投資CF | - | - | + | + |
財務CF | - | + | - | + |
評価 | Excellent! | Good | Poor | Bad... |
投資CFがプラスなら設備の売却額等が投資額を超えており、事業撤退や資金繰り悪化が疑われ、マイナスなら研究開発などに投資していることを示します。
財務CFがプラスなら借入金が増えていることを、マイナスなら株主に配当したり、自社株買い、借入金の返済をしていることを示します。
トリンセオのキャッシュフローは健全そのものですね。
その他主な指標

PER(Price Earnings Ratio/株価収益率)は株の割安性の指標で、15を下回ると割安であると考えられます。
トリンセオは次期決算では赤字予想となっているため、PER(予)は計算できません。
財務的には問題なく、単年で赤字決算があっても仕方ない部分はありますが、赤字予想となると高配当株とはいえ、株を買うにはやや躊躇してしまいますね。
まとめ
トリンセオは利益が4年連続減少中ですが、配当は増配傾向です。
コロナショックにより原油価格が下がっており、これは原油を原料として各種化学品を製造する化学メーカーには利益確保の好材料となります。
営業利益が回復さえすれば非常に買いたい銘柄です。
業績予想に反して株価は現在上昇中であるため、しばらく様子見かなと思います。
さいごに

【TSE】トリンセオの株情報、いかがでしたでしょうか?
アメリカ株は1株単位で買えるため、投資初心者でもとっつきやすい投資だと思います。
長期的に見ればアメリカ経済は右肩上がりである歴史を鑑みると、中長期的にアメリカ株を保有することで一定の利益を確保できるのではないかと思います。
今後も個別銘柄の分析をブログに載せようと思いますので、よろしければご覧いただければ幸いです。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。
化学素材メーカーは他にも投資の選択肢になり得る銘柄多くありますので、ご参考ください。